初期症状を見逃さない!「まだらぼけ」チェックリストといますぐできる対策7つ

みなさんこんにちは。認知症の初期症状である「まだらぼけ」を聞いたことありますか?認知症によって脳の一部の機能が低下しているものの、脳の記憶がある部分で構成されるオリジナルの世界のことを示します。今回は自宅で出来る簡単な「まだらぼけ」対策をご紹介したいと思います。

こんな方を対象にしています
  • 家庭でできる認知症の予防方法を知りたい人。
  • 「まだらぼけ」について詳しく知りたい人。
  • 「まだらぼけ」の対策方法を知りたい人。

それでは早速、ご紹介させていただきます。

この記事を監修して頂いた方
みきさん

介護福祉士7年目。グループホームで4年勤務した後、ユニット型特別養護老人ホームに移動。日々ツイッターで介護のノウハウを発信中

そもそも「まだらぼけ」とは?

「まだらぼけ」という言葉を聞いたことがありますか?「まだらぼけ」とは、認知症の症状がまだらにあらわれることです。しっかりしている時と認知症の症状がある時が混在している状態を示します。

認知症と言うと、目の前の人が誰かを忘れたり、 慣れない場所で迷子になったりといった周囲の人が比較的気づきやすい行動が思い浮かびます。しかし実際は、通常些細なもの忘れから始まり、段階を踏んで、料理の味付けができない、服がうまく着られないなど、本人にとってはこれまで当たり前にしていた生活の些細なところから、症状が出始めます。このような症状が、まだらに出ることを、「まだらぼけ」といいます。

まだらぼけの頭の中ってどんな感じ?

「まだらぼけ」になると、お年寄りは自分の世界、つまり「まだらの世界」に入ります。認知症によって脳の一部の機能が低下しているものの、その時に残っている部分で構成されるオリジナルの世界です。周りの人からすると、お年寄りと会話をする時や一緒に物事を行うときに、なんだか自分たちの言葉や認識がスムーズに伝わらないな、と言う違和感を覚えることも増えてくる時です。まだらの世界には「欠けの世界」と「タイムスリップの世界」が存在します。それぞれ詳しく説明します。

欠けの世界

認知症になると、人によって脳の様々な機能が衰えたり失われたりします。どこかの能力が欠けている状態で、お年寄りが見えている世界を「欠けの世界と呼びます。欠けの世界の特徴は以下です。

欠けの世界の特徴
  • 人との約束を忘れてしまう。
  • もの(鍵や財布など)をどこに置いたか忘れてしまう。
  • テレビや本を読んでも、話の展開やスピードについていけずに、鑑賞を諦める。
  • 誰が誰かを判断できなくなる。(例えば、息子の太郎がいるとすれば、孫や娘の夫を見ても、「息子の太郎」と認識してしまう。若い男性=太郎になる。)
  • 作業能力が低下してしまい、好きな趣味ができなくなる。

タイムスリップの世界

認知症になると、新しいことを脳にインプットする能力が衰え、比較的最近の記憶があいまいになります。しかしその一方で、昔の記憶は鮮明です。そのため、まるでタイムスリップのように昔の世界にそちらの世界にすっぽり入り、考え、行動することが珍しくありません。タイムスリップする世界はその時の心模様によって様々です。体は今を生きているのですが、頭の中は少年少女だったり新婚さんだったりします。タイムスリップの世界の特徴は以下になります。

タイムスリップの世界の特徴
  • 昔の出来事をついさっき起こっていたかのように話す。
  • 今日が何月何日何曜日であるかを忘れやすい。
  • 季節や状況に合わない服装をしていることがある。
  • 昨日の昼間に何をしていたか思い出せない。

タイムスリップをしているお年寄りにいくらそんなのおかしいですといっても、本人にはそれが現実なのですから理解できません。周りの人は「タイムスリップ中なんだな〜」と考えた方が良いのです。

チェックリストを使って「まだらぼけ」かどうかを診断しよう

認知症のチェックリスト

以下のチェックリストでまだらぼけかどうかを診断してみましょう。

著書「磯野家の介護 」からチェックリストを参考にさせて頂きました。

  • いま切ったばかりなのに、電話の相手を忘れてしまうことがある。
  • 自宅の住所と電話番号がすんなりでてこない。
  • 探し物をする時間が増えた。
  • お金への執着が以前よりも強くなった。
  • 財布や通帳を盗まれた、盗られたと言うことがある。
  • 下着を変えないなど身だしなみに無頓着になった。
  • 今日が何月何日何曜日か忘れやすい
  • 季節や状況に合わない服装をしていることがある。
  • 買い物の支払いで手間取ることが増えた。
  • 外出するときに持ち物を何度も確かめる。
  • 趣味やテレビ番組にあまり興味を示さなくなった。
  • テレビの内容を理解できないことがある。
  • 「バカになった」「役立たずになった」などと発言することがある。
  • 話の辻褄が合わないことがある。
  • 会話の最中に単語を探している様子が見られる。
  • 昨日の昼間に何をしていたか思い出せない。
  • 体の具合が悪いわけでもないのにふさぎ込むことが増えた。
  • 行動を起こすことを億劫がることが増えた。
  • 料理や片付けなど日常の生活での小さな光がミスが目立つ。
  • ささいなことで怒りっぽくなった。

当てはまる項目が多い場合にはすでに「まだらぼけ」の傾向があるかもしれません。お医者さんや市町村の窓口に相談してみてください。

まだらぼけの傾向が少しでもあると心配になるかと思います。そこで次に家で簡単にできる対策を7つご紹介したいと思います!

家でできる対策を7つ

在宅でできる簡単 認知症予防

五感を刺激すると脳の働きが活発化されます。対策の内容は、著書「磯野家の介護 」を参考にさせていただきました。

【視覚への刺激】

視覚への刺激
  • 部屋に季節の花を飾ったり庭がある場合には縁側に椅子を置いてみる。
  • 冬はコタツの上にみかん、夏はうちわなど、季節を感じられるアイテムを取り入れる。
  • お年寄りの趣味のものや好きなもの、昔の生活環境に馴染んだものを置く。
  • 朝はカーテンを開けて光を部屋に取り入れる。朝日を浴びて体内時計をリセット。

【嗅覚への刺激】

嗅覚への刺激
  • 天気が良い日には窓を開ける。
  • 外の匂いをかぐことでリフレッシュ。
  • 香りの良い入浴剤を使う。
  • 料理を作っている最中に今日のご飯は〇〇よと話しかけ匂いに気づかせる。
  • 時間を決めて香りのあるお茶等を出し感覚を呼び戻す。

【聴覚への刺激】

聴覚への刺激
  • 昔好きだった音楽を部屋で流す。
  • 窓を開け外の音を取り入れる。
  • 小さな事でも積極的に話しかける。

【触覚への刺激】

触覚への刺激
  • 朝起きた時やお風呂上がりに肩や足を軽くマッサージする。
  • 足湯で足先の感覚を刺激する。
  • 小さめのアイスキャンディーなどを舐める。

触覚を刺激して認知症予防につながる運動もあります。
【認知症予防】最新の研究で分かった認知症予防に効果のある運動3選

【 味覚への刺激】

味覚への刺激
  • 食べにくいものは細かく切り分けてなるべく家族と同じものを食べる。
  • 塩分を控えた料理ばかりでなくときにはソースなどを使ったある程度濃い味のものを食べる。

新しいことにチャレンジ!

新しいことにチャレンジすることで脳が活性化されます。今まで経験したことがないことにチャレンジしましょう。

新しいことにチャレンジ!
  • 交通安全、子どもの見守りパトロール
  • 旅行
  • 運動・スポーツ
  • 地域の文化・伝承芸能・民芸・手工芸・郷土史・生活記録等の伝承活動
  • 子どもや青壮年などとの交流活動

寄り添う気持ちとアクション

「まだらぼけ」の方には、優しく寄り添うことが重要です。

まず何よりも、否定をしないことが大切です。お年寄りにとって「ぼけ」はぽんこつの烙印を押されたような衝撃です。何か不思議な行動をしたら、今はまだらの世界にいるのだと意識して接してみてはいかがでしょうか。

また言葉の言い換えもテクニックの1つだと思います。「まだらぼけ」の方が同じことを複数回尋ねるのであれば、毎回優しく答える。物忘れがあるなら否定はせずに、「買ってきてくれてありがとう。たくさんあっても困らないもんね。」などと言い換えてみましょう。

寄り添う気持ちとアクション
  • 不識な行動をしていたら、まだらの世界にいるのだと意識する
  • 言葉の言い換えを実践する

まとめ

「まだらぼけ」の対策についてご紹介させていただきました。少子高齢化が進む中、今度「まだらぼけ」になる方は非常に多くなると思います。そんな時は優しい心でサポートしていきたいですね。最後まで読んでいただきありがとうございます。

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執筆者
紺野真琴

祖母と2人暮らしのアラサーです。
終活ガイド資格保有 | 介護士
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