【老老介護】日本人の70%が対象になる??共倒れを防ぐために今日からできること

みなさんこんにちは。今回は、最近よく聞く「老老介護」について、それによって何が起こるのか、
避けられない問題をどう軽減していくかのヒントをご紹介したいと思います。まず初めに「老老介護」とは、高齢者が高齢者を介護することです。内閣府によると、介護を受けてる人と一緒に住んでいる介護者の年齢は、
男性では70.1%、女性では69.9%が60歳以上で老老介護のケースが多いことが分かります。

要介護者と一緒に住んでいる介護者の年齢割合

この記事を監修して頂いた方
みきさん

介護福祉士7年目。グループホームで4年勤務した後、ユニット型特別養護老人ホームに移動。日々ツイッターで介護のノウハウを発信中

老老介護で起きる問題

共倒れ

老老介護でよく起こるケースとして、介護者が高齢のため、精神的かつ肉体的な負担によって倒れやすいです。また、病気や負傷の悪化で入院してしまい介護する人が居なくなってしまうこともあります。

例:要介護4の夫がいて在宅介護をしていたが、自分の体調が悪化してしまい入院することになった。夫を施設に入れることを検討するも埋まっていて、短期入所(ショートステイ)に入れることは決まったが、自分が退院した頃にまた介護できる自信がない。

介護にかかる時間の増加

介護者の体力そのものが減ってきていたり、動作が遅くなってきたりで、介護に時間がかかることもあります。それによる、介護される人の肉体的な負担も大きくなります。介護度が重くなればなるほど、お互いの負担も重くなっていきます。

例:母親の排泄機能の低下により、昼夜を問わず介護をする必要を感じて実際に行っている。排泄以外にも日中は一緒に居ないと不安がるため、睡眠時間の確保もままならず、精神的にも肉体的にもそろそろ限界だ。

介護者の精神的負担

介護生活で外出する機会が減り、地域とのつながりが薄くなり、運動能力も衰えることもあります。
趣味の時間を取る体力も気力もなくなり、外部からの刺激がないことで鬱状態になることもあります。

例:要介護2の母の介護を始めて半年、自分の仕事と家事をこなしながらだと、自分ではそんなつもりないが、会う人会う人に疲れた顔をしていると言われる。知り合いの精神科医に自覚がない精神的疲労はうつに繋がる傾向が高いと言われ、自分がうつなのか不安になってきた。

老老介護疲れ
救急車

負担を軽くする方法

精神面

状況を理解する

早めの状況把握が何よりも大切です。またご近所との関係構築をすることで気にかけてくれる人が多いとお互い助け合えるでしょう。現代は核家族化が進んでいて、同居が難しい人も多いことと思います。定期的に電話をしたり、帰省する頻度を増やすことで状況を理解しやすくなると思います。また、ご両親が住む自治体のサービスの内容を把握しておくことで、状況に応じた対策も講じやすくなります。

身近な人や信頼できる人に相談する

すべての高齢者が相談できる施設

地域包括支援センターは、すべての高齢者が相談できる施設として創設された、少子高齢化対策として地域内で高齢者を支える地域包括ケアシステムです。医療や福祉など、地域内にあるさまざまな社会資源を活用し、制度の枠を超えて高齢者に適切なサービスを提供してくれます。初めて家族の介護に直面した人などは特に、様々な視点から一緒に考えてくれる場所なので、ぜひスムーズな介護生活を自分自身のためにも、要介護者のためにも相談すると良いでしょう。

要介護認定を受けている高齢者が相談できる施設

居宅介護支援事業所は、要介護者のケアプランを作成する事業所として、ケアマネージャーが常駐し介護に関する全般的な質問・相談ができる場所です。介護生活において一番大切かつ柔軟な必要のあるケアプランを相談したいときにプロに相談できると心強いと思います。

地域包括支援センター
高齢者と家族の定期的な電話

身体面

自宅を介護仕様にリフォーム

条件を満たせば、介護保険の「住宅改修費の助成制度」を活用することができます。ご自宅をバリアフリーにリフォームすることは、安全な移動を確保するだけでなく、要介護者本人の自立心を保つことができます。また、介護する方の介護力軽減にもつながります。

バリアフリーになる具体的なメリット

1. 玄関のバリアフリー化

  • 靴を履く・脱ぐ時に座る場所がある
  • 移動する時につかまれる場所がある
  • 車椅子で自由に移動できる

2. トイレのバリアフリー化

  • トイレ内で動きやすい
  • 移動する時につかまれる場所がある

3. 階段のバリアフリー化

  • 段差がゆるやかな設計
  • 車椅子でも利用できる、階段昇降機の設置

4. 浴室のバリアフリー化

  • 濡れてもすべりにくい素材の床、浴槽
  • 入浴を介助しやすい低めの浴槽
  • 浴槽への出入りがしやすい

たとえば、トイレに手すりを付け(3万円)、廊下に手すりを付けた(5万円)場合20万円までは2割の自己負担になるので、元は計8万円だったところが実質1.6万円で改修工事を行えます。

こういったことも、先ほど述べた地域包括支援センターや居宅介護支援事業所でぜひ相談してみてください。

手すり
バリアフリーな床

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介護サービスの利用を検討する

介護を受ける人の自立した日常が送れるように、介護者の休息が取れるように、施設だけでなく、自宅で受けられるサービスもあります。以下の6つのサービスは在宅介護に役立つサービスを抜粋してみました。

1: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)は、施設に日帰りで通い、食事や入浴などの介護サービスだけでなく、健康状態のチェック、また楽しみながらトレーニングになるようなレクリエーションなども行われます。 介護が必要となった場合においても、できるだけその利用者がご自宅で、能力に応じた自立した日常生活を送ることができるようにサポートする施設です。
【利用者のメリット】
生活能力の維持または向上を目指して行われるサポートを受けられます。また、コミュニティに参加することで孤立感の解消をすることができ、心身のモチベーションに繋がります。
【介護者のメリット】
利用者がサービスを利用している間に自分だけの時間を確保できるのでストレスを発散できると思います。

2: 通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)では、自宅で介護を受けている利用者が介護老人保健施設や、病院、診療所などに日帰りで通います。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のもとで心身の機能の維持・回復を目的としたリハビリを受けることができるサービスです。食事や入浴の介助、送迎だけでなく、医師が常駐しているため医療的なケアも行われます。
【利用者・介護者のメリット】
デイサービスと同様のメリットも期待できるでしょう。

3: 訪問介護

訪問介護は、自宅で介護を受けている利用者に対して、その利用者の自宅で介護福祉士やホームヘルパーなどが行う身体介護又は日常生活の支援サービスをいいます。
【利用者のメリット】
食事や入浴、排泄などの身体介護だけでなく、洗濯や掃除、買い物などの生活支援サービスを受けることが出来ます。

4: 訪問看護

訪問看護は、病気や負傷により利用者の自宅で継続して、看護師などが健康状態のチェックや医療処置を行います。
【利用者のメリット】
療養しながらリハビリのアドバイスを受けられます。

5: 短期入所(ショートステイ)

短期入所(ショートステイ)とは、利用者が可能な限り自宅で、能力に応じた日常生活を送ることができるように、利用者が施設に短期間宿泊し、入浴、排泄、食事などの日常生活における機能訓練を受けることができるサービスです。
【利用者のメリット】
コミュニティとの関わりが心身の健康に繋がります。
【介護者のメリット】
予定や体調不良などで一時的に介護をすることが難しくなったときや、介護者自身の時間を取りたいときに利用できます。

6: 福祉用具貸与(介護用品・福祉用具のレンタル)

福祉用具貸与(介護用品・福祉用具のレンタル)は、利用者の自宅で自立した日常生活を送ることができるよう助ける福祉用具のレンタルが保険給付の対象になるサービスです。たとえば、車椅子や介護用ベッド、手すり、スロープなどの一部の福祉用具を介護保険を利用してレンできます。
【利用者のメリット】
自宅での生活が送りやすくなります。
【介護者のメリット】
介護者の心身の負担を軽くするだけでなく、経済的負担も減らすことができます。

老老介護・認認介護

認認介護との違い

「認認介護」とは、認知症の高齢者が、同じく認知症の高齢者を介護することです。老老介護の次のステージとして認認介護になるケースが多いと言われています。お互いが認知症のため介護どころではない認認介護は、介護放棄や虐待などに発展して事件や事故を引き起こす可能性もあります。

老老介護・認認介護のチェックリスト
  • 心身共に疲れている様子が見受けられないか
  • 自宅で引きこもりになっていないか
  • 辻褄の合わない話しをすることが見受けられないか
  • 家事の状況に変化はあるか(きれい好きだったのに掃除が行き届いてない。料理が好きだったのに出来合いの総菜ばかりが並んでいる。など)
  • 金銭管理はできているか
  • 服薬管理はできているか
  • 食品など同じものばかりが過剰にストックされていないか

LIFULLさんのページを参考にチェックリストを作らせていただきました。

当てはまる項目が多くても少なくても、チェックリストでチェックすることで現状把握、また今後の対策の取り方も見えてくると思います。

まとめ

老老介護によるリスクは、共倒れ、介護にかかる時間の増加、介護者の介護疲れの3つです。これを軽減する方法として、周りの人が電話などで状況を理解してあげること、相談できる施設に生活の問題だけでなく、介護のケアプランについても相談してみること、自宅をリフォームして身体的負担を減らすこと、介護サービスの利用で外部との交流を深めることがあります。ご自分に合ったやり方で無理のないように、周りの人にも頼りながら介護ができるといいですよね。認認介護にならないようにするためにも、老老介護の段階からできることを始めていきましょう。

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執筆者
紺野真琴

祖母と2人暮らしのアラサーです。
終活ガイド資格保有 | 介護士
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