【共感と傾聴】介護される人も、する人も、お互いを尊重し理解する方法とは?

みなさんこんにちは。

今回は、介護者側も介護される側もお互い幸せな介護生活が送れるように、共感の気持ちと傾聴の大切さについて実践的な方法と共にご紹介します。

介護されている人も介護している人も、お互いを思う感謝の気持ちは持っています。ただ、その気持ちを伝えられる時間、心持ちなどが余裕がないときは、すれ違いが起きやすくなってしまいます。介護が始まり、相手のためにと思って、いろんな情報を取り入れると思いますが、まずは、介護を受ける人との時間を大切に、コミュニケーションをとって相手の気持ちを理解する時間を取ってみてはどうでしょうか。

対等な関係を大切に

介護者と介護を受ける人では、上下関係が生まれやすくなります。その影響で、介護に一生懸命な人ほど徒労感から虐待に走ってしまうケースも見られます。しかし、そもそも好きで介護を受けているわけでなく、また当然の権利であるわけでもありません。それでも介護を受けなくてはならない人の気持ちに寄り添うことで、対等な関係を作っていきましょう。

介護される人(要介護者)の気持ち

  • 介護してもらってることに対する感謝
  • 身体が思うように動かなくなってきていて不安を感じている
  • 介護される状況に情けなくなる
  • 年寄り扱いされたくない
  • 子どもに指図されたくない
  • 忙しそうで、伝えたいことが伝えられない
  • 世の中の役に立てないなら、死んだ方がましだ

介護する人(介護者)の気持ち

  • 恩返しの気持ち
  • 介護されてる人の身体に対する心配
  • やることがいっぱいいっぱいでやりきれない気持ち
  • 慣れない介護に対する不安感
  • わがままばかり言われても困る
  • 介護されてる人が何を考えてるのかわからない
感謝が伝えられている介護
お互いの気持ちが分からなくなっている介護

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大事なのは「共感」や「傾聴」

コミュニケーションとは、相手に話しかけることの一方的なものではなく、相手の話に耳を傾けることを大切にするものです。

介護を受けるようになると、外部との交流が限られ、自分の身体も日に日にできないことが増えていくので、日ごろの悩みや心配ごとを聞いてもらいたくなる方が多いです。そういったときに、気持ちを理解してくれる相手がいたら心強いですよね。そんなときに「傾聴」を取り入れることで、介護を受ける人と介護をする人のコミュニケーション理解度を上げることができます。

傾聴の3ステップ

傾聴とは、耳を傾けて一心に聞くこと、熱心に聞くこと。

コトバンク

レベルに応じて3種類の傾聴があり、段階を踏んで実施することで、より深く相手の本心に寄り添えるようになります。

1. 受動的傾聴

受動的傾聴とは、まずは相手の話をそのまま受け取るようにするという基本的な方法です。聞き手の興味や関心などから質問や意見をするのではなく、まずは相手の本心を理解するように、聞くことを最優先事項として意識します。またその際に話をする姿勢にも注目することが大切です。相手の表情や声色、しぐさなどにも気持ちが表れます。

例えば、「嬉しい」と言いながら表情が曇っている場合は心から喜んでいないことが多いですし、腕を組んで話を聞いているときは、否定的態度が現れています。このように言葉と裏腹の態度や思わず出てしまう行動に目を向けて、本心を理解する必要があります。

2. 反映的傾聴

反映的傾聴(反射的傾聴)とは、話し手の表現を利き手が繰り返すことで、内容に対する理解や共感を表す方法です。相手の話していることをオウム返しのように繰り返したり、言い換えて表現したり、要約して伝えることで、話し手も聞き手の理解度を実感できます。また聞き手側は、その相手の話している内容と、自分の理解している内容をすり合わせることで、話し手の気持ちをより理解できます。自分のイメージする言葉の意味と相手のイメージする言葉の意味が食い違うことは、実生活でもよくあることだと思います。介護をされる人だと、身体の衰えや不自由に関する不安を上手く言葉にすることは難しいので、より相手の気持ちを深く知るために効果的な方法です。

例えば、70歳の介護を受けている人が「普通の食事を食べたい」と言った時に、聞き手側は「もう少し味の濃いもの」をイメージするでしょう。しかし、発言した人が、歯ごたえのある食事をイメージしていた場合、お互いに違うイメージを想像していたことになります。
このように、「普通」や「少し」といった単語が持つ意味は、人によって様々です。話し手が何を伝えたいかまで理解するには、その言葉の中に含まれている「過去の体験談」まで聞いてみることをおススメします。

3. 積極的傾聴

積極的傾聴とは、主体的に会話の働きかけをすることで話し手の思考を促す方法です。聞き手は、場合に応じて話し手の発言に反応や質問を入れ、内容理解が明確になるようにします。

認知症の高齢者とのコミュニケーション

認知症の症状として、短期的な記憶力、年月や時間、場所などの見当識、思考力、判断力の低下などがあります。そのため、自分のいる場所、周りにいる人に対する不安感や緊張を感じながら生活しています。
症状や進行に個人差はありますが、「否定をせずに寄り添ってあげる」ことが大切です。話のつじつまや、言動と行動が一致しなかったとしても、今の状況に寄り添うことで安心感を与えることができます。

不安や焦りを訴える人とのコミュニケーション

「いつ歩けるようになるの?」「本当に病気が治るのかな?」などの言葉は、不安や焦りの気持ちを表しています。言葉だけでなく、表情や目線などでも感じられます。
そういった場合には「今日は身体を起こせる時間が長くなったね。」「あとでこの運動を一緒にやってみようよ」など共感+励ましの対応を心がけましょう。

傾聴の具体的な実施方法

傾聴を実践するときのオススメポイントをご紹介します。

傾聴のための心構え

傾聴に慣れていない人は、反応が薄くなってしまったり、否定的な態度をとってしまう癖が出ることもあります。「共感しよう」「理解しよう」という気持ちで行えば、効果的な傾聴に繋がります。傾聴をできるようになるのは、時間がかかることですが、日々の意識で行動は変えられます。

言葉ではないコミュニケーションを意識する

うなずきや、相槌、アイコンタクト、間の取り方などの話を聞く姿勢というのは、相手の話に興味があることを示す効果的な要素です。言葉以外のコミュニケーションから発せられる情報は実に6~7割だと言われています。相手のペースに合わせて会話が進むように、表情や、緩急、声色、しぐさなどを合わせると共感を示せます。

理解を言葉のかけ方で示す

話し手にとって、聞き手からの言葉で自分の話している内容に対して考え直すきっかけになったり、聞き手の理解度を知ることができる機会になります。まずは、単純に相手が話した内容をそのまま繰り返すオウム返しから始めて、その後言葉の言い換え、要約することなどをおススメします。

心情を大切にする

傾聴では一貫して相手の気持ちに共感して理解することに重きを置いています。

また、相手の話を聞くときに時間がなくて、つい会話の内容をおろそかにしてしまい、頭の中で別のことを考えながら話してしまうこともありますよね。余計な考えを持ち込まず話を聞くことで、相手の話に集中してみましょう。

会話を大切している親子
お互いの気持ちを大切にしている親子

まとめ

介護される人も介護する人も、不安や心配、苛立ちの気持を抱えながらも、感謝の気持ちが根底にあることを忘れずに生活が送れるといいですよね。相手の話を話した言葉からそのまま受け止め、表情やしぐさに意識を向けて、より深く相手の本音を聞き出せるようなリアクションや、質問で理解することが大切です。テクニックも大切ですが、何よりも相手を思う気持ちを大事にしてください。

実施ポイント4選
  • 傾聴のための心構えを持つ
  • 言葉以外のコミュニケーションを大切にする
  • 理解度を言葉のかけ方で示す
  • 気持ちを大切にする

【参考文献】

介護される人とする人の気持ちは交わりにくいもの

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執筆者
紺野真琴

祖母と2人暮らしのアラサーです。
終活ガイド資格保有 | 介護士
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